真実と善と美

 日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

知の民主化

 最近、「知の民主化」って言葉をよく聞くんだけど、つまりそれってインターネットの普及で誰でもどこでも知を共有し、得る事が出来るようになった事だと思います。
 昔は国や富欲層が学者や文献や芸術家を囲って知的財産を独占していた貴族主義の時代で、一般市民は貴族から士道などの道徳や芸術などの薫陶を受けていました。

 今は誰もが世界中の知的財産にアクセスできるようになった事で、「知の価値」というものが解り辛くなった様な気がします。
 大学の講義がタダで観れるし、世界中の第一人者のスピーチがTEDで観れる。衝動買いした観葉植物の育て方も調べればすぐに解る。他にも色々…
 世界中の価値ある知はその辺に転がっている。

 福沢諭吉が学問のススメで「向上心の無いヤツは馬鹿だ」って言ってたけど、それは個人が益々自由になっていろんな情報や体験を得る事が出来る様になって来てるのに、そのチャンスをスルーするなんてなんてもったいないんだ!と言ってると思うんですよね。

 昔の貴族達は知を独占すると共に富と権力も独占していた。富と権力は知によってもたらされるものだと思う。だからこそ知というものは何よりも大切に囲われていたのだと思う。
 これからの世の中は富よりも経験が価値を持つ。価値ある経験もまた、知によってもたらされるものだと思います。いや、それはもっと広義的な意味合いで「智」と言った方がいい。

 知を消費するだけでなく、知を咀嚼して新たな知を生み出し、世の中に体験という形で返せるようになったら一人前の大人かな?と思います。つまり自分がこれまで学んだ事や知り得た事を、いつか世の為人の為に活かす事が出来きたら良いなと思っています。