ケンタロウBlog

 ケンタロウが日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

プロセスを省略する、しない

 堀江貴文さんの「ゼロ」はとても面白かったです。Twitterでも押せ押せドンドンで読んだ方も多いのではないでしょうか?

 

 著書の中で

”思えば学生時代の僕なんて、地味でひねくれた田舎者でしかなかった。中高時代も、大学時代も完全に落ちこぼれていた。まったく勉強しなかったし、ギャンブルにはまった時期も長い。ライブドア時代に語られてきた「中高一貫進学校に通い、現役で東大に合格し、若くして成功したベンチャー起業家」なんてサクセス・ストーリーは、表面的な結果論に過ぎない。

 そこからどうにか変わることができたのは、小さな成功体験を積み重ね、自分の殻を打ち破ってきたからだ。何者でもない「堀江貴文」という人間を、少しずつ更新してきたからだ。もちろん、一夜にして変わったわけではない。はじめの一歩は、すべて地道な足し算である。

 もし、あなたが「変わりたい」と願っているのなら、僕のアドバイスはひとつだ。

 ゼロの自分にイチを足そう。

 掛け算をめざさず、足し算からはじめよう。”

 

という部分がありますが、これはこの本の要諦を表していると思います。

 

 何かを成し遂げたり習得するには、それそのものに価値が高ければ高いほど時間と手間がかかります。それを実際に自分の暮らしの中に当てはめると長い期間をそのものに費やす必要があります。

 他から見て一発逆転や奇跡的なものや突然現れた様にみえるものは、実は綿密な積み重ねやたゆまぬ苦労があったりするわけです。

 

 私達の暮らしは昔に比べると大変便利になりました。言うに及ばず、技術やシステムが生産性を向上させて時間が短縮されたり手間を省くことが出来るようになりました。

 こうした様々な手間と時間を省略する「便利さ」というのは「プロセスを省略する」というふうに言い換えることが出来ます。

  年代が上になるほど、何をするにも手間のかかった時代を振り返りながら現在の便利さに感心する事ができますが、子どもたちにとっては今の便利さが当たり前の事です。

 今の子どもたちはプロセスを知りません。そしてそのプロセスを省略するためのシステムを構築するためにどれほどのプロセスがあるかを知りません。

 子どもたちと言いましたが、大人でもプロセスがある事を忘れてしまっている事が多いでしょう。

 

 わざわざ作らなくても買える物が増え、自分で考えてやらなくても誰かが代わりにやってくれるサービスが増えて、自分が経るべきプロセスを誰かが代わりにやってくれる物事が増えました。その代わりに私達はプロセスをこなす力を失い、そのプロセスがある事自体を忘れてしまいがちです。

 

 こうして便利な物事に囲まれて過ごしていると、堀江さんの言うような、何かを成すための地道な足し算や、自分で考えて自分でやり、その責任を自分で取るという機会が少ないように思います。

 

 ゆとり教育の薫陶を受けた子どもたちが成人しました。様々な場面でゆとり教育は揶揄されますが、その中で2000年に始まった「総合的な学習時間」というものがあります。

そのねらいは

  1. 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
  2. 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにすること。
  3. 各教科、道徳及び特別活動で身に付けた知識技能等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすること。

 総合的な学習の時間はプロセスを学ぶ時間です。便利な社会に育つ子どもたちに、あらゆる物事にはプロセスがある事、それぞれにはどういったプロセスがあるのかを教えて、実際に自分たちにとって価値あるものの為にプロセスを踏ませる事、身につけた問題解決能力を他にも応用できるか考えさせる事、そのための時間です。

 

 プロセスを学ぶという事は先程も書いたように、自ら問題や課題を見つけて、自ら考えて、やってみてその責任を取る。という事を学ぶ事です。

 

 全国の学校でこの総合的な学習の時間がねらい通りに活かされているかというと「各学校の実態に応じて・・・」という文言に甘んじている部分が多いようで、非常に疑問を感じます。文部科学省は各学校の総合学習がねらい通りに取り組まれているか今一度チェックする必要があると思います。

 

 こうして義務教育の中にプロセスを学ぶことが盛り込まれる事を考えると、プロセスの省略によって失うものの重要性を認識できます。

 

 身の回りにはプロセスを省略しようとする人が喜びそうな文言を良く見ます。

「〜分で出来る〜」とか、「〜を上達させる魔法の法則」とか、「これで一発解決!」というようなものです。すべてがその通りに上手くいくと思いませんが・・・

 私もそういうタイトルの記事や本などに釣られる事がありますが、本当に魅力的な言葉たちです。

 

 プロセスを学ぶことで身につくのは、考える力、実行力、責任感、達成感、自信などです。

 つまり堀江さんのいう足し算の積み重ねがこれらの力を身につけさせてくれるのです。

 

 先程も書いたように、何か大きなことを成すには長い時間と手間がかかります。人生の大部分を費やすことになるかもしれませんし、自分の人生の時間の中で完成しないかもしれません。

 

 自分がやりたい事とは何か?その過程で身につけたい事は何か?それをはっきりさせる事が先ず以て大事です。

 そして自分の目的を達成するために

どのプロセスを省略する(買ったり人に任せたりする)

どのプロセスを自分の手でやって行くか

 

 見極めて考えなければなりません。

 

 どうでもいいことは人に任せて、大事な事に力を注ぎましょう。