真実と善と美

 日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

採用基準

半年前に書いた読書感想文ですが、最近あらためてチラチラと読んでいるので再アップします。

「採用基準」伊賀泰代 著 を読了しました。

 この本はコンサルティングファームマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社で採用業務を担当していた著者の伊賀氏による、現在日本のみならず、世界で求められている人材とは?というテーマで書かれた本です。
 マッキンゼー・アンド・カンパニーは日本で最も優秀な人材が応募するコンサルティング会社です。しかし、そこで長年採用業務をになってきた著者は毎年十分な採用ができなかったそうです。
 優秀な人材が結集する会社が求める人材イメージが正確に理解されておらず、とにかく「頭のいい人」を求めていると誤解されているそうです。
 こうした状況を詳細に調査し、コンサルティング的分析手法で問題の根本的な原因を考えてみた結果、グローバルビジネスの現場で求められる資質について日本ではその基本的概念さえ理解されて居ないと分かりました。

 現在グローバルな現場で求められているスキルはズバリ「リーダーシップ」です。
 リーダーシップは言語で明確に出来ない言葉ですが、リーダーシップの必要性や、成果主義と表裏一体である事。和を尊ぶ組織ではリーダーシップは存在せず、高い生産性や成果を期待出来ない事。役職、管理職、調整役との違い。リーダーがなすべきタスク。リーダーシップの学び方。日常の中で求められるリーダーシップ。リーダーシップを身につける事で世界が広がり、自分の人生をコントロールするという事。
 生活や仕事でよくあるシーンを引き合いに出して、分かり易くリーダーシップについて語られています。
 ・目標が設定されている
・どうすれば良いか解っているが、誰も何もしようとしない。
・他者を巻き込んで現状を変えてゆく
こんな状況ではリーダーシップが必要です。
 自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断の理由をきちんと説明する。
 成果達成の為に誰に命令されなくても自分がやるべき事を理解して行動できる。そんなリーダーシップを発揮できる人が、様々な問題を解決してゆく事が出来ます。

 そして最も重要なのはリーダーシップは役職や組織員関係なく、全員に必要だということです。

 この本を読んで反芻すると、自分の身の回りにも何人も高いリーダーシップ能力がある人がいます。リーダーシップというものを意識して観察すると、今まで以上に人から学ぶ事が沢山ある事に気がつきました。同時に、自分のリーダシップの低さが浮き彫りになってしまいました(笑)

 この本は1,500円で学べる非常に有意義なリーダーシップ研修です。