真実と善と美

 日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

自分の場所


 生活の中で自分の居場所って必要だと思うんですよね。

 書斎っていった方が良いかもしれないけど、人によってはガレージだったり家の中の決まった場所だったり、トイレだったり、行きつけのカフェやまん喫だったりするので、一概にここって言い方はできません。

 昔ながらの農家でよく見るのは、居間とは別の座敷で、座り心地の良い座布団と座椅子があり、お茶セットが傍らにあって、長机の上には新聞があって、筆筒が置いてあって、そんな場所です。

 洋風の住居や最近の住居では、狭いながらも書斎をよく観ることがあります。

 人はものを考えたり頭の中をリセットしたり、決断したりする場所が必要だと思うんです。

 重要なことを考えたり、決断する時って他人がちょっかい出したり気が散ったりする場所はだめだと思うんです。自分が気に入ったものに囲まれてたり、自分にとって落ち着いた空間が良いと思うんです。

 前に、仕事でお世話になった方に、身分が上がると自分の部屋を与えられるが、その部屋はなんのためにあるか?という話になり、その方は「決断するために部屋がある」とおっしゃっていました。私はその答えに凄く納得しました。

 やはり、そういうスペースを持っている人って、重責を担ったり多くの物事を背負っている人が多いように思います。

 仏教の言葉で「真空妙有」という言葉があります。これは妙なる有は真なる空から生ずるという意味です。
 有とは道であり、智であり、理であります。つまりそれらの有は真なる空より生ずるという事です。
 責任のある立場になると、大きな決断をしなければならない場面が多く訪れます。そんな時、その空の状態になれる場所が必要だと思うんです。

 子どもにとっても、ある年齢からそういう場所が必要だと思います。大抵の子どもは学習机を持っていて、それが考える場所であり、決断する為の場所であると思います。
 小学生低学年の頃は、家庭学習を保護者が寄り添ってみてあげなければなりません。その為リビングやダイニングで勉強することになりますが、ある時期を越えたら自分の場所を用意してあげることが必要だと思います。

 皆さんにとって「真空妙有」の場はどこでしょうか?