ケンタロウBlog

 ケンタロウが日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

地方の食文化

 東京でとてもお洒落でアットホームな料理教室を開いている友人が、実家へ帰省する機会が多くなった為、実家のあるこちらの小さな街で料理教室を開きたいとの事で、色々と案を練っている所です。

 友人は食材の種類や値段を調べる為にスーパーへ出かけたり、近辺で外食をしたり、料理教室をリサーチしたりして、料理教室を開催するに必要な情報と市場のリサーチをしています。

 地方の田舎の食文化についての感想を聞く上で、気付かされる事が沢山ありました。


・作らない

 これはどこに行っても同じ事が言えるのかもしれませんが、料理を作らなくなっているようです。
 スーパーにはお弁当やお惣菜が年々充実しています。そしてそのお弁当やお惣菜コーナーは常に人気です。
 コンビニのお惣菜の種類も多くなったし、以前よりも味が良くなっているようです。
 しかし、それにしても美味しいとは言い難い…
 ただし、美味しい食材はどこにでも豊富にある。


・美味しいと言えるお店が少ない

 これは周りの何人もの人が言います。
 堀江貴文氏も高城剛氏も、世界から見れば東京の食文化は世界一だと言います。ですが、堀江貴文氏曰く、地方に行くと美味しいお店が少ないと言います。
 ロケーションが良かったり、雰囲気が独特であったり、非日常的な空間を演出しているならば、そこに付加価値があるので味には譲歩の余地がある訳ですが、なんの変哲もないお店でありながら、自宅で自分で作った方が美味いと言える様なものを出すお店があったりします。

 昔からの人気店で「美味しい」と評判のお店も、改めて俯瞰的になって食べてみると、全然美味しいとはいえなかったり…

 不味いとは言わないけれど、美味しい物に出会うチャンスがとても少ないと感じます。
 

・ホームパーティをやらない

 田舎では自宅で冠婚葬祭ができちゃうくらいの大広間を有する家が沢山あります。しかも広い庭があったりします。
 しかし、人が集まって宴会をやる機会というのは、冠婚葬祭かお盆か正月に親戚が集まる位で、それ以外で友人が集まって宴会をやったりする事はあまり少ない様です。

 みんなで集まって宴会をやるというのは楽しいという事はわかっているはずなのに、人を自宅に呼ぶという事に抵抗があるのではないでしょうか?ただし、人の家に行くという事に関しては抵抗がない様に思います。


 まとめると

・作らない
・美味しいお店がない
・みんなで一緒に食事を作ったり食べたりしてパーティー、宴会をやらない

  最近西日本各地に行く機会がありました。道沿いの飲食店の看板の風景は、どこへ行っても同じ風景です。おなじみのフランチャイズ店やチェーン店の看板で埋め尽くされているのです。
 反感を恐れずに言えば、私も含めてですが、地方にはとても豊富な食材がありながら、地方の人々の食文化は堕落し、口は貧しくなっている様に思います。
 料理をせず、美味しさへの欲求は薄れ、食事は簡素化され、お手軽でシステム化した食事を利用する事が多くなりましました。
 何が美味しくて何が美味しくないのかさえも、自らの味覚よりも世間のレビューが定義付けしている様な気がします。

 地方で料理教室をやるというのは、地方の現在の食文化の流れに抗う様な事です。

・美味しい料理は沢山ある!
・誰もが美味しい料理を作る事ができる!
・料理を作るって楽しい!
・みんなで作って食べると美味しいし楽しい!

 地方の食文化の流れを全体的に変える事は無理があるけど、こうした食事にまつわる新しい提案は、とても意義のある事です。
 そしてそれは地方の食文化のイノベーションと言ってもいいと思います。
 友人のこうした想いをなんとか形にして、少しでも多くの人に体験し満足感と幸福感を感じてほしいと思います。


 ごく一部の文化的感度の高い人は、自分で作り振舞ったりする事に、楽しさと貢献感と幸福感を感じていて、実際に自宅で美味しい物を作ったり、ホームパーティーを楽しんだりしている様です。しかし本当にごく僅かの人達です。

 料理教室を開催しても友人の想いは伝わらないかもしれない。
 楽しく料理を習っている自分をSNSにシェアして満足して終わりかもしれない。
 みんなで集まってワイワイと料理をして美味しくいただいて満足し、習った料理のスキルを持ち帰り、活かそうとする事が今後ないかもしれない。

 でも、それで先ずは十分だと思うのです。

 楽さは少しずつでも広がって、一人ずつに広がって、やがてもっと踏み込んだ料理の楽さを体験してもらうのがいいかもしれない。

 料理は創造性のある日常であり趣味であり娯楽でもあります。
 そして誰かの為を想って行われる思いやりの貢献であります。

 この人間の生活から切っても切れない食事というものを、もっと楽しく幸福なものにしようとするこの友人の志を、心から応援したいと思います。
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