真実と善と美

 日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

読書感想文「ゼロ」 著 堀江貴文氏 

 堀江貴文氏の「ゼロ」を読みました。

 

 この本は堀江貴文氏が今まで語ってこなかった生い立ちから、大学生時代にインターネットに出会ったこと、会社を起こしたこと、収監されたこと、そしてこれからの事が綴られています。

 

 堀江氏はライブドア事件の頃のイメージだと「利己主義」「金の亡者」「ただ運が良かっただけの人」というものだったけど、この本を読んで、「普通の田舎者」「陰気な人」「地道な努力人」「仲間を大事にする人」という風に一気にイメージが変わりました。

 前者の方は「人」が付いてないからほとんど人と思ってなかったかも(笑)

 

 堀江さんが凄いなって思うのは、自分のやりたい事が見つかると、それに向かってはっきりとした気持ちで臨む事と、自分が今何をすべきかを良く考えて動くということ。

 堀江さんは著書の中で

「まずはゼロとしての自分に小さなイチを足す。小さく地道な一歩を踏み出す。ほんとうの成功とは、そこからはじまるのだ。」

 と言っている。

 

 小さなイチを足すって地道な努力を続けていく様な感じに取れるけど、堀江氏は自分の事を努力家という自覚はないようだ。

 自分も10年以上柳生新陰流剣術を習い続けて、別に人前で披露すること無く評価されること無く人知れず地道に続けてきた。ところが中学校武道授業必修化に伴い、柳生新陰流剣術を中学校武道授業で取り入れられる事となり、初めて人前で自分が積み重ねてきたものを披露して、自分が人知れず価値があると思い続けていたもの、「武とは相手を打ち負かす事を目的とせず、仁愛を以って他者との調和を醸し出すもの」という哲学を公に受け入れてもらった。

 多くの方が驚き高く評価して下さって「長い間頑張ってこられたんですね」というけれど、自分は全然頑張った記憶がなくて、普通に自分がやりたい事をコツコツと続けてきただけです。

 堀江氏の努力の実感が無いというのはそういうことに似ているかもしれません。

 

 自分が何をしたいのか、そのために何をするべきか、必要なことを一つ一つを積み重ねていく作業。きっと誰もが何かしらやっていることだと思います。

 

 堀江氏はこうした小さな積み重ねが次第に大きな目標を達成しうる事を体感し、自信を付けていったようです。自分なりの成功の要諦を見つけたのだと思います。すると、新たな目標が自分の中でイメージされるたびに凄くワクワクしたと思います。

 

 仕事に対する姿勢が能動的になり、ますます自分のやりたい事がはっきりして、そのためのプロセスを活き活きと積み重ねていく。その繰り返しが堀江氏の事業を成功に導いたのだと思います。

 堀江氏の成功の過程を解析して現れた、堀江氏の一つ一つの行動や考え方は、仕事だけでなく人生万般に渡って誰しもが簡単に実践できる事です。

 

 何もないゼロの自分に小さなイチを足していく。

 

 どこに向かって足していくかも大事だと思います。

 自分は何がしたいのか、何が大事なのか、はっきりした気持ちで臨む事。

 

 すなわち、前へ向かって進むこと

 

 この本を読んで、シンプルだけど、とても大切なことに気付かされました。