真実と善と美

 日常の中で、見たり聞いたりした事について書いています。

親の怠慢

 統一地方選挙が各地で行われて、地方の行政問題が取り沙汰されました。

 様々な問題がありますが、子育て支援はどの自治体においてもクローズアップされているようです。

 子育て支援については過去に書いたブログの様に、多様化した家庭の形、働き方、価値観を受け入れる柔軟な子育て支援が今後も必要になってくるわけで、どんなに子育て支援にエネルギーを注いでも、必要とされる支援でなければ用がないわけです。

 

 自治体はより良い子育てを支援したい。苦労をしている家庭をなんとか助けたい。そう思ってるわけで、子育てしている側は、助けて欲しい所で助けて欲しい。助けて欲しい時に助けて欲しいと思っているわけです。

 

支援の需給バランスを整えることが行政の役割なんだと思います。

 

 教育に関しては、ここでは義務教育の話しかしませんが、市の教育計画に望む子どもの姿があるわけです。各学校は市の方針に則って学校の教育計画を策定するわけです。

 保護者一人一人は子ども一人一人に対してどんなふうに育って欲しいかという希望は持っているかと思いますが、学校も市も同じ方向に皆揃える事は出来ません。皆価値観が違うのですから。

 子育て支援も教育政策もそうですが、保護者や子どもの要望に100%応える事が必ずしも正しいとは思えません。保護者の需要に応える事が必ずしも正しいとは思えません。

 なぜならば、保護者には子育てに対する怠慢があるからです。

 

 子育ては言うに及ばず大変な事です。

 

 その大変さを緩和する物やサービスなどは沢山あります。しかし、「子育ては大変」という言葉を隠れ蓑にして、保護者としての責務から免れようとする人がいます。

 

 子どもに食事をさせつつ、スマホから目を離さない親。

 

 子どもにゲームやyoutubeのやり過ぎを注意しながら自分はスマホゲームやSNSや友達とのLINEに余念がない親。

 

 宿題やりなさいと言いっ放しでチェックしない親。

 

 子どもの心の機微を感じ取ろうとしない親。

 

 自分達が遊びたいからという理由でしょっちゅう人に子どもを預ける親。(たまにはいいと思いますが)

 

 子育ては大変だし、全てを完璧にこなす事など出来やしません。

 しかし、努力はしなければなりません。それは、自分の子という1人の人間に、これからの社会を自立して生きて行く術を身につけさせる責務かあるからです。

 

 今回の地方選挙で新潟県加茂市では、市長選挙で、「中学校の部活動は最小限に縮小すべし」と言っていた現職が「部活動は子どもや保護者の意向を汲んで元に戻すべき」と言う新人に敗北しました。

 

 部活動廃止論については、とても先進的だと思いますし、部活動廃止すべきと私も思います。

 

 部活動を廃止すべきという理由の一つに、部活動が保護者にとって程のいい児童館になっていると感じるからです。

 子どもは放課後に安全安心な学校で、子どもをよく知る教師が面倒を見つつ運動をしたり文化的活動をしているので親としてはとても安心でしょう。部活動が無いと、家でゲームをしたりyoutubeを見たりしていると嘆く声が親から聞こえます。

 

 その状況を見れば、保護者が毎日部活動をやる事を歓迎するでしょう。

 しかし、繰り返し言うと、実態は児童館です。

 その部活動は子ども達に一体何をもたらすのでしょうか?

 身体や体力を身につけるにはいいかもしれませんが、それは中学校の放課後に中学校がやる事でしょうか?時間内にやるべきなのでは無いでしょうか?

 子ども達は楽しんでやっていると口々に言いますが、数少ない選択肢の中で選んだものは何だって友達と体を動かしていれば楽しいのは当たり前では無いでしょうか?選択を狭める事は可能性を同時に狭めているのです。子どもが楽しく体を動かす事は中学校が放課後にやらなきゃならない事でしょうか?

 大会に出るために練習しなければならない?そもそも大会に出なければならないのでしょうか?

 

 イギリスの

タイムズハイアーエデュケイションによると、世界の大学ランキングで東京大学は42位です。日本の最高学府でさえもです。

 東京大学に入るには高い学力が必要ですが、世界的な視座に立てばその程度なのです。

 韓国のとある大学にて生徒のTOEICの点数と、日本国内の大学の教師のTOEICの得点が同じだそうです。

 

 これからの社会を生きていくに必要な英語力で言えば、新潟県の中学3年生は都道府県別でビリから3位です。

 

  TPPや実質的なアメリカとのFTAが導入される中、これまで以上に外資がどんどん国内に入ってくるでしょう。

 これから社会に出て行く子ども達は高い学力か独自の創造性が必要です。惰性で高校を選び、大学を選び、進路を決めて行くと、その先には外国資本やAIに使役される道しか残らないでしょう。

 加えて、FTAの受け入れによって、日銀による日経平均株価の買い支えや為替操作はできなくなり、世の中の不景気は明らかになるでしょう。医療の高額化から始まり、日本の景気は悪化の一途をたどる中、人材は安く買い叩かれるでしょう。

 

 これからを生き抜く子ども達に、親の一時の安心感の為に生産性の無い部活動をやらせているのはもったいないと思いませんか?

 

 そんな時間があったら一日30分3年間、英会話を学んだら卒業する頃には日常英会話くらいできるようになってるんじゃ無いでしょうか?

 

 野球やりたい、サッカーやりたい、その他やりたい活動があれば、地元のクラブチームなどに活動の場を移すべきです。素人の教員から適当な指導を受けるより、そっちの方がよっぽど専門的な指導を受けることができるでしょう。

 

 今は部活動というものがあるせいで、中学生の放課後市場が解放されていないのです。部活動がなくなり、やる気のある子どもが野に投げ出されれば、必ず受け入れる場所ができるはずです。

 

 

  今の学校教育のシステムはこれからの社会に適合するとは思えません。これからの未来を見据えれば、学校という枠に収まらず、真剣に子どもの将来を考えねばなりません。

 

 親はスマホじゃなくて、子どもと向き合い、子どもが何をやりたいのか?何が得意なのか?どんな将来をイメージしてるのか?答えは簡単に出てくるものではありませんが、しっかりと根気強く対話し続けるべきです。

 

 子どもが一人一人、与えられた自分の時間に自分が何をするべきか?何がしたいのか?考えて、主体的に行動する事も大切です。答えは簡単に出てこないと思いますが、考え始める事、行動を起こす事を中学生の内にスタートを切るか、高校生になってから切るかでは大きな違いが出てくると思います。

 

 そういった理由で、親と子どもの意向を汲んで

部活動を存続させるのは、子育て支援でも教育政策でもなく、子ども自立を妨げ、保護者の怠慢を甘受する事だと断言するのです。

 

 子育て、怠けてませんか?自戒を含めて問いたいです。